【失敗しないために】会社を辞める時に必要な手続きを確認しておこう

会社を辞めた後の状況によっては、自分でさまざまな手続きをしなくてはいけません。その手続きをするには、まず自分の状況を確認しておく必要があります。

会社員をしていると、自動的に給与から天引きされているため、『何のためにいくら払っている』のか、把握していない方も多いのではないでしょうか?

また、会社を辞めた後に変わることを知っておくと、「こんなはずじゃなかった…」と後悔しなくて済みます。急に「税金を払え!」と言われても困りますよね?

具体的には、会社を辞めた後すぐに転職をするかどうかで、大きく2つに分かれます。人生が変わるほどの重要なタイミングで失敗しないために、どうすれば良いか確認しておきましょう。

この記事では、会社を辞める時の手続きや注意点について解説しているので、ぜひ参考にしてください。

会社を辞めると何が変わるの?

会社を辞めると、何がどう変わるのか気になりますよね?会社を辞めた後は、すぐに転職をする場合としない場合2つに分かれます。

すぐに転職をしない場合は、自分で必要な手続きをしなくてはいけません。そこで、ここからは会社を辞めた後の手続きについて、簡単に解説していきます。

その前に、会社員が自動的に入っている保険について確認しておきます。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険

一般的に、「健康保険」と「厚生年金保険」を合わせて『社会保険』と呼ばれています。今までは会社と半分ずつ支払っていましたが、今後は自分の状況に合わせて手続きをする必要があります。

では、手続きが簡単な『すぐに転職をする』場合から、見ていきましょう。

すぐに転職する場合の手続き

会社を辞めた後すぐに転職する場合は、新しい会社にそれぞれ継続の手続きをしてもらうことになります。

そのためには、必要な書類を転職先に提出しなければいけないため、事前に確認しておきましょう。では、順番に解説していきます。

健康保険

会社を辞める時に保険証を返却するため、転職先で手続きをしてから保険証をもらうまで、2週間程度の空白期間ができます。

もし、保険証を使う予定があるなら、転職した会社から「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらいましょう。ただ、すぐに対応してもらえない場合は、年金事務所に行き自分で手続きをすれば発行してもらうことも可能です。

健康保険被保険者資格証明書があれば、医療費は3割の負担で済みます。ちなみに、保険証がない状態で医療費を10割払ったとしても、保険証を受け取った後で返却の手続きができるので、安心してください。

厚生年金保険

厚生年金を継続するためには、年金手帳を転職先に提出する必要があります。年金手帳は会社に預けている場合もあるので、転職が決まった段階で確認しておきましょう。

年金手帳をなくした場合は、会社か年金事務所で再発行できるので、早めに手続きをしてください。

雇用保険

雇用保険に加入していると、「雇用保険被保険者証」が発行されていますが、基本的に会社に保管されています。退職時に渡されるので、そのまま転職先へ提出しましょう。

雇用保険被保険者証をなくした場合は、ハローワークで再発行できます。また、転職先に退職証明書の提出を求められた場合は、退職する会社に発行してもらう必要があります。

所得税

会社員の場合、所得税毎月の給与から自動的に徴収されています。ちなみに、多めに徴収した所得税を正しく計算した後で、返金するのが年末調整です。

会社を辞めると、その時点までの源泉徴収票が約1ヶ月後に発行されます。その源泉徴収票を転職先へ提出すると、所得税などの計算をしてくれるため、自分で確定申告をせずに済みます。

ただ、所得税は1年分の所得に対する税金なので、退職前と後で年度が変わってしまう場合は、自分で確定申告をします。(年末調整をしていない場合)

住民税

会社員の場合、住民税毎月の給与から自動的に引かれています。住民税は前年度の所得で決まるため、転職をしても税額は変わりませんし、継続して支払う必要があります。

住民税を継続して給与から天引きしてほしい場合は、退職する会社から「給与所得者異動届出書」に転職先などの必要事項を記入した上で提出してもらいましょう。

もし、継続の手続きができない場合は「普通徴収」に切り替わってしまうため、辞める時期によっては残りの住民税を一括で支払うことになります。
※住民税の普通徴収に関しては、「すぐに転職しない場合の住民税の手続き」で解説しています。

すぐに転職する場合の、主な手続きは以上になります。

すぐに転職しない場合の手続き

会社を辞めてもすぐに転職しない場合は、自動的に入っている保険を全て切り替える必要があります。そのためには、自分で手続きをしなければいけません。

では、上記と同じ順番で見ていきましょう。

健康保険→国民健康保険

会社を辞めると「国民健康保険」に切り替えることになります。主に、自営業の方などが加入する健康保険で、退職した翌日から14日以内に、住民票のある市区町村の役所で手続きをします。

退職した会社から「社会保険資格喪失証明書」を発行してもらい、担当の窓口で申請します。健康保険の場合は、他にも切り替えられる種類があります。

健康保険を任意継続する

条件を満たすことで、会社員の時と同じ健康保険を継続することが可能です。ただし、保険料の会社負担はなくなるので、自分で全額支払うことになり、単純に今までの2倍になります。

しかし、所得がある扶養家族が多い方は、国民健康保険より安くなる可能性があるため、検討してみると良いでしょう。

家族の扶養に入る

社会保険に加入している家族がいるなら、扶養に入る方法もあります。ただし条件があるので、詳しくはご家族の会社に問い合わせて確認する必要があります。

厚生年金→国民年金

会社を辞めると「国民年金」に切り替えることになります。退職した翌日から14日以内に、住民票のある市区町村の役所で手続きをします。

手続きに必要なもの
  • 本人確認書類
  • 年金手帳
  • 離職年月日が確認できる書類

社会保険に加入している家族の扶養に入る場合は、「第3号被保険者」となり国民年金の保険料を納める必要はありません。

雇用保険

雇用保険には、会社を辞めた後に条件を満たすことで、給付金がもらえる制度があります。失業保険失業手当と呼ばれている制度です。

もし、転職先が見つからないまま会社を辞めたとしても、失業給付金をもらいながら、次の仕事を探すことができます。失業後の給付金については、別の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

➡︎【会社を辞めた後、失業保険(手当)をもらえるまでの期間と金額を知っておこう】

ちなみに、雇用保険の失業給付はハローワークに行き、必要な書類を提出して手続きをします。

退職する会社に発行してもらう書類
  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証

これらの書類は、退職して数日後に会社からもらうことができます。

所得税

退職後、同じ年度内に就職しない場合は、自分で確定申告をする必要があります。退職前の会社で給与から所得税を引かれていたので、多く納めていた分が返金されます。

確定申告をするためには、源泉徴収票が必要なので、退職した会社から発行してもらいましょう。

住民税

住民税は前年の所得によって金額が決まり、会社員の場合は、毎月の給与から自動的に引かれていました。しかし、会社を辞めてしまうと自分で納めることになります。(普通徴収

普通徴収の場合は、6月頃に住民税の納付書が届き、一括または4回に分けて支払います。しかし、会社を辞めて途中で普通徴収に切り替わる場合は、退職したタイミングによって支払い方法が変わります。

1〜5月に退職する場合

5月までの住民税が、退職する月の給与から一括で徴収されます。もし、給与が足りない場合は、普通徴収に変更することも可能です。

6〜12月に退職する場合

自動的に普通徴収に切り替わります。自治体から納税通知書が送られてくるので、期限までに支払いましょう。ちなみに、退職する会社に頼んで、辞める月の給与から一括で支払うことも可能です。

会社を辞める場合は、事前に必要な手続きを確認しておくこと

会社を辞める場合、すぐに転職をするなら、新しい会社に手続きをまかせることができるため簡単です。しかし、上手く転職先が決まらないこともあるでしょう。

しばらく就職先が決まらない場合は、忘れずに自分で切り替えるための手続きをしてください。ちなみに、国民健康保険を切り替えなかった場合は、医療費が全額負担になったり、退職した月までさかのぼって請求されます。

また、多く納めた所得税は自分で確定申告をしないと戻ってきませんし、失業給付は求職手続きをしなけらばもらうことができません。手続きを忘れていると、自分が損をすることが多いので気を付けましょう。

仕事を辞めた後に、その会社に発行してもらう書類などもあるため、最後まで良い印象を持たれたままで退職することをおすすめします。

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