「プログラミングを学べば稼げるようになる!」と思い、Web制作を学んだ方や、「これから勉強しよう!」と思っている方に悲しいお知らせがあります。
『Web制作のスキルを身に付けても、クラウドソーシングでは稼げない』ということです。より正確に言うと、稼ぐのが相当難しいです。
もちろん、中には高収入のフリーランスの方や、案件の獲得に困ってない方もいるでしょう。ただ、これから始める初心者はよほどの差別化ができないと厳しい現実が待っています。
しかし、あくまでクラウドソーシングの中での話であって、Web制作の学習がムダというわけではありません。これから個人で稼いでいくために、身に付けたスキルを上手に活用する方法も覚えておきましょう。
この記事では、クラウドソーシングで稼げない理由と解決方法について解説しているので、ぜひ参考にしてください。
クラウドソーシングを使ってもWeb制作で稼げない理由
クラウドソーシングとは、仕事を募集するクライアントと受注するワーカーをマッチングさせる仕組みです。クラウドソーシング上の仕事にはたくさんの種類があり、誰でも提案して仕事を獲得することができます。
多くの提案の中から、クライアントがワーカーを選び契約します。つまり、クライアントに選ばれなければ仕事をすることができません。
そこで、ワーカーはさまざまな方法で差別化をして、クライアントに提案することになります。すると、ワーカー側の条件が悪くなっていくのは想像できるでしょう。
次に、Web制作の場合はなぜ稼げないのかを解説していきます。
クライアントはどんな方だと思いますか?
クラウドソーシングを使ってWeb制作の仕事を募集するクライアントは、どのような方だと思いますか?僕のイメージでは、おそらく2種類に分けられると思います。
- Web制作に詳しいプロ
- Web制作を理解していない素人
クライアントはWeb制作に詳しいプロがかなり多い印象で、制作にかかる費用も把握できるレベルだと思います。では、プロの方の立場で考えていきましょう。
この場合、クラウドソーシングで発注する流れとしては、まず自分の会社(フリーランス含む)でWeb制作を受注します。続いて、制作に必要な情報の打ち合わせまでは自分で行います。
次に、作業を工程ごとに分けて、クラウドソーシングで募集します。この部分の費用を減らすことができれば、自分の利益が増えることになります。
もちろん、クライアント全てがそのような考えではないでしょうが、制作にかかる費用を減らすためにクラウドソーシングを使うことはあるでしょう。
次に、Web制作の知識がない素人の場合についてですが、2つに分けることができます。
わからないので制作会社に依頼する
おそらく、Web制作の知識がない多くの経営者は、Web制作会社に依頼するはずです。たとえ取引がなくても、フリーランスより会社の方が信頼度が高いからです。
Web制作ができる会社を探す方法は、主に3つあります。
- インターネットで検索する
- 近くのWeb制作会社を探す
- 関係のある企業や組織に紹介してもらう
Webサイトを作る場合、デザインや画像、テキストなどが必要になるため、「できれば直接会って打ち合わせをしたい」と思うでしょう。
すると、近くのWeb制作会社に依頼することになります。Web制作の知識がない方が、自分でクラウドソーシングを使って募集をする可能性は低いです。
Web制作の知識はないがクラウドソーシングで発注する
少ないとは思いますが、クラウドソーシングで発注する素人についても考えてみましょう。この場合は、クライアント側にWeb制作の知識がないため、予想しないトラブルが起こる可能性が高いです。
予算と納期だけ決めて、あとは全てまかせてくれたら問題はありません。しかし、Webサイトに掲載する情報の打ち合わせは必要でしょう。そこで、起こりやすいトラブルをまとめてみました。
と、ここまではクライアント側の理由について考えてみましたが、次にワーカー側から考えてみましょう。
とにかく実績を積みたいワーカーが多い
ワーカー側も仕事を受注するために、さまざまな工夫をする必要があります。仕事をしないと収入を得ることができませんし、実績がないと仕事を受けられる確率は低い状態が続いてしまいます。
そこで、「まずは報酬を下げてでも仕事を受けよう…」と考えるワーカーが多いです。すると、当然価格競争になってしまい、制作単価は上がりません。
さらに、企業が副業を解禁する流れになっているので、クラウドソーシングで収入を得ようとするワーカーは今後も増えると考えられます。ワーカーが増えるほど、競争率は上がり報酬は下がってしまいます。
そもそも案件を獲得することが難しい
Web制作の基本は誰でも学習することができ、比較的身に付けやすいスキルなのでライバルが多い状況です。また、本業でWeb制作をしている方も副業で参入できるため、Web制作の流れもわからない初心者が仕事を獲得するのは難しいです。
また、コーディングのみでは単価が低くなってしまうので、ある程度の報酬を狙うためにはデザインが必要になります。WordPressで制作する場合は高額の案件もありますが、幅広い知識やスキルが必要なため、初心者が選ばれる可能性は低いです。
ちなみに、早くからクラウドソーシングを始めており、高い評価を得ているワーカーなら仕事を受注しやすいです。逆に、始めたばかりだと報酬額を低く抑えるくらいしか、仕事を獲得する方法がありません。
Webサイトを作りたいターゲットにあなたは見えてない
世の中にWebサイトを作りたい経営者はたくさんいるはずです。新しく事業を始めるためにはホームページが必要ですし、継続している事業でもWebサイトの内容やデザインなどを変更することも考えられるからです。
ただ、ターゲットとなる経営者がWebサイトを作りたくても、あなたのことが見えてないため依頼することができません。ですから、まずはあなたのことを知ってもらう必要があります。
地道に実績を積んでいくのもひとつの方法ですが、少ない収入を得るためにひたすら提案し続けるのは効率が悪いです。そこで、経営者の立場で考えてみましょう。
Webサイトを作る目的とは?
経営者はなぜWebサイトを作りたいのでしょうか?もちろん理由はたくさんあると思いますが、基本的に商品を売るためだと考えられます。
商品を売るための方法にはいくつか重要なポイントがありますが、まずは『お客さんを増やすこと』です。すなわち、「Webサイトを使って集客をしたい!」が多くの経営者が考えることでしょう。
そのためにはWebサイトの運営方法も重要になります。このように商品を売るための戦略や手段を『マーケティング』と呼びます。つまり、Webサイト制作に加え、マーケティングのスキルがあると差別化ができると考えられます。
クラウドソーシングで稼げない時の対策
ここからは、「このままじゃ稼げない..」と思った僕が考えた、解決方法について解説していきます。いくつかある中で実際に選んだのは、Web制作以外の仕事を受注する方法です。
どれでも仕事を受注することが可能だと思うので、自分に合った方法を選んでください。では、順番に見ていきましょう。
知り合いに当たってみる
もしかしたら、知り合いの方が「Webサイトを作りたい!」と思っているかもしれません。また、仲の良い知り合いの方に紹介してもらうことも可能でしょう。
交友関係が広い方や、地域の経営者が所属する組織に知り合いがいる方などにおすすめの方法です。ただし、知り合いだからと制作費用を安くするのは、トラブルの原因になるのでやめておいた方が良いでしょう。
逆に、紹介してくれたら制作費用の10%を渡すなど、相手にもメリットがあるように工夫すると協力してくれるはずです。僕の場合はひとりで活動したかったので、この方法は試しませんでした。
経営者に営業する
営業力に自信のある方なら、地元の会社に直接営業して回る方法もあります。ほぼ断られるでしょうから精神的にキツいですが、需要はあるはずです。また、営業スキル次第で仕事を受注できる確率も変わります。
この方法のメリットは、『Webサイトの重要性に気付いてない経営者』の需要も掘り起こせることです。さらに、経営者同士の繋がりで、他の方を紹介してくれるかもしれません。
また、Webサイトの変更や更新作業まで提案することで、毎月決まった額の収入を得ることも可能になるでしょう。ただ、営業が苦手な方にはおすすめできません。
SNSで営業する
最近では、SNSで仕事を探す方もいらっしゃるようです。主にTwitterやFacebook、Instagramなどを使って発信し、応募してきた方とメッセージで打ち合わせをする方法です。
この方法のメリットは、不特定多数の方に営業ができ、中間の手数料を取られないことです。ただし、相手がどのような方なのかわかりませんし、報酬の受け取り方を決めたとしても守ってくれる保証はありません。
ですから、トラブルになる確率は高いと想像できます。SNSを使う場合は、相手の情報をしっかり確認した上で問題ないか判断する必要があります。僕はトラブルが嫌なので試してません。
Web制作会社に就職する
可能であれば、一番確実に収入を得ることができる方法です。問題は就職できるかどうかですが…。
この方法のメリットは、常にWeb制作の仕事をしているのでスキルが上がりやすいことです。さらに、Web制作に必要な工程やスケジュールの組み方、外注する場合の要点など、独立した場合に活用できる方法を学ぶことができます。
さらに、会社から安定した給料をもらえるわけですから、リスクを最小限に抑えられる方法です。個人的におすすめなのですが、年齢制限があることが多く、僕の場合は難しいと判断しました。
プログラミングを学んでから就職する方法に関しては、別の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
➡︎【30代なら注意!】プログラミングを独学しても就職できない可能性あり
Web制作会社と業務委託契約をする
フリーランスで活動したい方なら、業務委託契約を結べる会社がないか探してみる方法もあります。具体的には、Web制作会社から仕事をもらうということです。
地元のWeb制作会社であれば細かい打ち合わせなども可能なため、下請けとして仕事を回してくれるかもしれません。ですから、探してみる価値はあると思います。
もちろん、インターネットでWeb制作会社に営業する方法もありますが、よほど実績があるかポートフォリオサイトをしっかり作っていない限り可能性は低いでしょう。
僕の場合、まずは副業でWeb制作を始めようと考えていたので、とりあえず保留ということにしました。
フリーランス向けのエージェントを使う
エージェントとは、企業からの仕事をフリーランスに紹介するサービスです。フリーランス側の希望を確認した上で、条件に合った仕事を提案します。エージェントを使うメリットは、主に3つあります。
- 営業する必要がない
- 単価の高い仕事もある
- 収入が安定する
ただし、依頼先の企業に常駐する案件も多く、労働時間も決まっているため会社員のような働き方になります。また、企業からの案件も都市部に多いので、働くエリアが限られます。
もし興味があるなら、下記のエージェントで求人情報を調べてみてください。
全国7拠点でフリーランスエンジニアを支援【IT求人ナビ】
IT系フリーランス専門エージェント【Midworks】
Web制作以外の方法で収入を得る
「Web制作で学んだ知識やスキルで受けられる仕事はないかな?」と思い、探してみました。すると、Webライティングの仕事に活用できることがわかりました。
また、ライティングの仕事は募集している数が多いため、Web制作に比べて提案が通りやすいです。仕事内容は変わってしまいますが、Webサイトの運営にはライティングのスキルも重要ですから、勉強しておいて損はないと思いました。
Webライティングの仕事をすると文章力が上がり、記事の構成やSEOなどを学ぶこともできるのでおすすめです。Webライティングのメリットについては、別の記事で解説しているので、興味がある方ぜひ参考にしてください。
➡︎副業ならWebライティングがおすすめ!幅広く活用できるメリットを解説
Webライティングで仕事を受注した方法については、こちらの記事で解説しています。
➡︎【クラウドワークス】や【ランサーズ】で初心者が仕事を受注するまでの流れを解説
フリーランスの営業に必要な情報とは?
フリーランスとして仕事を受注するためには、相手に自分の情報を知ってもらう必要があります。基本的に身に付けたスキルや、今までの実績をアピールします。
クラウドソーシングを使う場合はプロフィールに書いたり、ポートフォリオとして制作物を載せることができますが、できれば自分のWebサイトを作った方が良いでしょう。
自分のWebサイトを作るメリットについては、別の記事で解説しています。
➡︎【メリットあり】Web制作を独学したら自分でポートフォリオサイトを作ろう
また、自分のWebサイトではポートフォリオの他に、載せておくべき情報があります。
できるだけ相手に情報を伝えられるように、必要なことは何か考えてみましょう。また、SNSなどを活用して自分のWebサイトに誘導し、詳しく知ってもらう方法も有効です。
Web制作のスキルを身に付けても、クラウドソーシングで仕事を受けるのは難しいですし、仮に受注できたとしても内容と報酬のバランスが悪いです。それなら別の方法を探してみましょう。
獲得できた仕事に対しては、クライアントが満足できる成果を目指して全力で取り組みます。コツコツ信頼を積み重ねて、次の仕事に繋げていきましょう。